Warning: Undefined array key "file" in /home/xs006792/ecgism.com/public_html/wp-includes/media.php on line 1763
上の心電図は徐脈・失神で救急搬送された患者の心電図です。
スイープ速度が50mm/secとなっており、25mm/secの心電図よりも全体的に間延びして見える波形となっております。
一見二段脈かのように見えますが、画像にはない前後の波形情報もあわせると房室ブロックであることがわかっています。
つまりこの心電図は三拍に一回QRSが抜けています。
ここでの学びとしては、必ずしもP波が視認できるわけではないということ。
一拍抜けた後の最初のP波だけはちゃんと確認することができます。
しかしその次のP波と、さらにその次のP波は非常に見えづらくなっています。
この心電図だけを見たら、ウェンケバッハ型の房室ブロックかもしくは洞房ブロックを疑うかもしれません。(PとQRSの位置関係をどう判断するかによるため)
しかし繰り返しになりますが、前後の情報から高度房室ブロックということは確認できているので、洞結節の異常ではないことを前提に話を進めていきます。
一拍抜けた後の長いフラットに続くP波だけはしっかり確認できますが、その後のP波は確認が難しくなります。
ときとしてP波はT波などに埋もれて必ずしも確認できないということを念頭に入れておく必要があります。
このことを念頭に入れておかずにこの心電図だけを見て判断してしまうと、この突然のQRSの欠如は洞結節の異常が原因であると考えてしまう可能性があります。
結果として・・・
①P波が確認できているからといって、毎心拍でP波が確認できるとは限らない。(T波などに隠れてしまうかもしれないことを念頭に、注意深く見ることが大事)
②P波とQRSの関係性を正確に把握するためには、一つの画面の波形だけで判断せず、経時的に見て判断することが必要。