臨床で働く看護師向け!基本的な心電図の読み方

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医師 患者 診察
今回の記事の対象は・・・

今回の内容は、実際に病棟や救急の現場などで働く看護師さん向けに作成しました

心電図の教科書的な基礎とは少し異なりますので、ご了承ください

目次

心電図の読み方に正解や不正解はあるのか

お悩みマン

心電図って読み方にルールとか正解ってあるの?

結論からいうと、心電図の読み方に必ずこの順番でこの手法で読まなければならないというルールはありません

以下にその理由を、例も交えて説明します

心電図に相対したときの見かた・読み方ですが、もちろん基本的な確認事項はあります

例えば・・・

  • 心拍数
  • PQ間隔
  • QT間隔
  • ST異常や異常Q波
  • 軸偏位など

ただ、やみくもにこれらの項目が正常か異常かを一つ一つ確認するようなことを実際やっているかというと、決してそうではありません

救急や病棟などで速やかな判断が求められるような状況なのか、それとも時間的な余裕がある状況なのか、その場の状況によってみることができるポイントは異なるかもしれません

しかし実際のところ、時間のない中で判断しなければならない状況のほうが多いのではないでしょうか

心電図の見かただけに限りませんが、通常患者の症状や訴えなどからあるていど疾患を推測し、それに応じた検査を行います

つまりあらかじめ疾患を予測しておけば、心電図で初めに見るべきポイントが見えてくるというわけです

患者の訴えや症状に応じて見るべきポイントがある

最も理解のしやすい例として、胸痛があります

救急車を呼んでもらうか否かの判断の一つに胸の痛みの有無があります

胸痛があれば迷わず救急車を呼んでもらう判断をすることが多いと思います

胸痛は心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患です

心筋梗塞は、心臓の栄養や酸素を供給する冠動脈が詰まることで起こります

一刻も早い詰まりの改善が心筋のダメージを最小限に抑えます

それによって早期の社会復帰を可能とします

また命に関わる不整脈を引き起こす可能性もあり、早期の診断と治療方針の決定が望まれます

このような状況において心電図で確認することは、悠長に軸偏位の有無でもなければ心房負荷所見の確認でもありません

端的にいえば、STが上がっているのか否かを真っ先に確認します

また致死性の不整脈が出現しそうな心電図であるかや、徐脈が出現いていないかなど短時間で確認するべきことはありますが、それはまた別のお話なのでここでは割愛します

また別の例として

動悸症状で心電図をとった場合はどう心電図を見るべきでしょうか

以下に動悸症状を有する疾患を示します

  • 不整脈
  • 心不全
  • 狭心症
  • 心臓弁膜症
  • 高血圧症
  • 低血糖症
  • バセドウ病
  • 貧血など

心臓弁膜症を疑っていたら、心電図よりも聴診や心エコーのほうが確定診断につながります

心不全を疑っていたら、動悸よりも息切れやチアノーゼなど別の所見が目立つでしょうから胸部レントゲンなどをとることでしょう

疑う疾患によって、検査の重要度が異なることは当然のことです

動悸症状で心電図をとる場合、やはり不整脈疾患の鑑別を得意とします

脈拍がとぶようなら期外収縮を疑います

ドキドキ早い鼓動なら頻脈性の不整脈を考えます

脈がバラバラに感じるなら心房細動を考えます

それらの疾患に応じて心電図を見る順番が違ってくるので、心電図を読む際に絶対的なルールはないのです

あらかじめ疾患を予測しておくことで、心電図の判読にかける時間を短くすることが臨床では必要となります

ただし、先入観が先行して正しい判断ができなくなることは避けなければなりません

一つの情報だけを鵜呑みにすることなくさまざまな情報から総合的に判断する必要があります

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