何日か前に自宅で急変し、その後蘇生した患者の数日後の心電図となる。
Ⅱ誘導の波形だが、感度が1/2なのでP波の立ち上がりの判断や形の識別が正確ではない。
あくまでモニター心電図なので十二誘導心電図的な正確性は保証できないという前提で話を進める。
パッと見たとき、、⑥のQRSの直後のT波に上室性の期外収縮が見られており、SVPC blockではないかと思われた。
しかしそれが真実であれ間違いであれ、その後もQRSが出現しない理由とは一致しない。
アバウトな計測だとRRは800msちょっとある。アレスト部分が2600msなので、ちょうど2拍分抜けている計算となる。となればSSSの洞房ブロックタイプということになる。
ここで面白い発見があった。
のちのちRR間隔をひとつづつ計測すると、880msと960msが交互に測定されるのだ。
普通に考えられることは、二段脈ということになる。
P波が小さくて確認しずらいのが残念である。二段脈ならばP波の形が交互に変形していたり、PP間隔が異なってくるはず。また二つに一つが心房の期外収縮であるなら、PQ間隔も変わってくるはずであるが、P波の形が不明瞭で計測しずらく断定できない。
結論として・・・
- 明らかにQRSが抜けているので徐脈である。
- 明らかにP波が消失しているので房室ブロックではなくSSSである。
また反省点として・・・
- まずは印字の設定を確認するべきだった。(感度やスイープ速度の設定を確認)
- せっかくのモニター心電図なので、もっと長軸で印刷するべきだった。
- 十二誘導心電図をとればよかった。(P波の種類を同定できれば二段脈であるかの判断ができた)